「海外で生活してみたい!」
「ワーホリって自由で楽しそう!」
「日本では看護師をしていたけど他の職業も経験してみたい!」
そんな期待を胸にオーストラリアにやってきた私。でも、実際に経験してみて思ったのは、「想像していたより、ずっとしんどいことが多かった」ということでした。
もちろん素敵な出会いや景色、貴重な体験もたくさんあったけれど、それと同じくらい、もしくはそれ以上に、心が折れそうになった日々もありました。
今回は、ワーキングホリデー中に私が本当につらかったことを、正直に書き残しておきたいと思います。
給料未払いが続いた日々

ワーホリ生活の中で、一番初めにぶつかった現実は「お金」の問題でした。
働く場所が決まったときは、「やっと収入ができた!」とホッとしたのを覚えています。でも、働き始めてからすぐにおかしなことに気づきました。
給料日になっても、振り込みがされていない。何度も「今週中に払うから」と言われるけれど、待てど暮らせど入ってこない。
最初は「海外だからある程度のゆるさは仕方ないのかな」とか、「ローカルな店だし、ゆるいのかな」と自分に言い聞かせていました。でも、2週間、3週間と経っても支払われず、次第に不安と怒り、そして虚しさが募っていきました。
「自分の時間と労力を使って働いているのに、それが“なかったこと”にされるなんて…」
海外での労働環境に慣れていなかった私は、どうやって対応すればいいのかもわからず、ただ悔しさと不安に押し潰されそうでした。
最終的には、約50万円ほどの未払いをなんとか回収することができましたが、何度も催促してもらったお給料。全く気持ちの良いものではありませんでした。
日本では、給料が未払いになることなどどの職場でもなかったので、これはオーストラリアワーホリで私が経験した苦い思い出です。
職場の上司との人間関係のストレス(セクハラまがいの言動も)

給料未払いの問題以上に、精神的にきつかったのが「職場の人間関係」でした。
特に上司との関係がうまくいかず、日々ストレスを抱えていました。特に辛かったのは、上司からの“距離感のない接し方”でした。
明らかにセクハラまがいの発言、距離感、プライベートな質問を繰り返されることが増えていき、出勤するのがどんどん怖くなっていきました。
「自意識過剰なのかな」「大げさに考えすぎなのかな」「海外ではこれが普通なのかな」と何度も自分を責めましたが、やっぱり心が拒否していることを無視してはいけなかったと、今になって思います。
周囲に相談できるような環境でもなく、「言ったところでどうにもならない」と感じていた私は、ただ毎日をやり過ごすことで精一杯でした。
また、日本であれば、このような職場は間違っている、他の仕事を探そうとすぐに切り替えられたかと思いますが、あまり英語も得意ではない、仕事の経験も多いわけではない私を雇ってくれるところは、他にはないのではないかと思ってしまい、なかなかやめるという決断ができませんでした。
相談できる友達が近くにいなかった

ワーホリ生活の中で思った以上に辛かったのが、「孤独」でした。
新しい環境で、新しい人たちと出会えることはもちろん刺激的で楽しい反面、「心を開いて本音を話せる友達」がなかなかできないのが現実でした。
英語の壁や文化の違いもあり、表面的な会話はできても、心の奥の悩みまではなかなか共有できない。日本語で「わかるよ」「大変だったね」と言ってくれる誰かがそばにいないだけで、どれだけ心細くなるか、初めて実感しました。
仕事の愚痴も、将来の不安も、泣きたい夜も、全部ひとりで抱えて過ごす。そんな日々が続くと、どんどん自分がちっぽけに感じて、自信を失っていきました。
日本にいる友達の“充実した生活”との比較で焦る

ワーホリ中、SNSを開くたびに目に入るのは、日本で働いていたり、学生をしている友達の楽しそうな投稿。
「彼氏と旅行に行きました」
「結婚しました」
「部署異動になってやりたい仕事に近づきました!」
そんな報告を目にするたびに、自分の生活と比べてしまって、どんどん心がざわつきました。
私は今、異国の地で低賃金の仕事をして、上司の顔色をうかがいながら働いて、休みの日はひとりでベッドでNetflixを見て過ごす日々。
「本当にこれでよかったのかな…?」
「私、みんなより遅れてない?」
そんな焦りが、気づけば日常の一部になっていました。
ワーホリは自由だけど、「自由=楽しい」ではない
ワーキングホリデーは確かに自由です。
仕事も選べるし、住む場所も変えられる。旅行も、語学学校も、友達づくりも、全部自分のペースで決められます。
でも、その自由さは同時に「自分で何とかしなければいけない」という責任の重さにもつながっています。
困ったときに誰かが手を差し伸べてくれるわけではないし、悩みを打ち明ける相手がすぐそばにいるとは限らない。物価の高い中で生活していくためには、ハラスメントから逃げたことさえ、正解なのか、我慢するべきだったのか分からなくなることも。
何が正解かわからないまま、手探りで歩いていく毎日は、想像以上に心に負担がかかります。
今だから思う、「あの時の自分、よく頑張った」
ここまで読んで、「ワーホリってしんどそう…」と思った人もいるかもしれません。
でも、私はあの経験を後悔しているわけではありません。むしろ、しんどかったからこそ、「本当の意味での自分の強さ」に気づけたと思っています。
泣きながら帰宅した日もあったし、「もう帰りたい」と思ったことも何度もありました。でも、それでも私はそこに居続けた。誰にも頼れない中で、自分を守りながら生き抜いた。それだけで、あの時の自分を褒めてあげたいです。
今、私が堂々と「日本が大好きだ」「他人に気を遣える日本人の考え方が大好きだ」ということができるのは、ワーホリでの様々な経験があったからだと感じています。
最後に:これからワーホリをする人へ伝えたいこと
ワーキングホリデーは、キラキラした側面だけを見ていると、ギャップに苦しむかもしれません。
でも、現実はもっと複雑で、もっと人間らしい体験の連続です。
楽しいこともある。けれど、しんどいことも、たくさんある。
それでも、そのすべてが「生きている実感」になっていく。
これからワーホリに行こうとしているあなた。
もし不安や迷いがあるなら、それは当たり前のことです。だから、無理に「楽しそうに」しなくても大丈夫。自分のペースで、自分のやり方で、海外生活を経験してほしいなと思います。
そしてもし、今まさにワーホリ中で辛さを感じている人がいたら、
「あなたは、ひとりじゃないよ」と伝えたいです。
同じように悩みながら頑張った人間がここにいます。
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